大日如来

       

板石位牌


  私は、蓮花院第二十三世住職、金久保康明(こうめい)と申します。 当院は弥勒山薬王寺蓮花院と号し、阿弥陀三尊(阿弥陀如来、観音菩薩、勢至菩薩)を本尊としております。 当山の創建、開山につきましては定かではありませんが、最も古いもので嘉歴二年(西暦1327年)の板牌(板石塔婆)が境内より見つかっております。その他にも年号は不詳ですが板牌の断片が数多く出ております。鎌倉末期には寺もしくは庵のようなものがあったと考えられております。一般的な説からも日本の地方の寺院は鎌倉中期から室町期にかけて創建されたものがほぼ八割方といわれております。

天正位牌

 位牌では天正十一年(西暦1583年)のものがあり、境内の墓石については江戸初期からのものが多数あります。これは江戸時代に入り寺檀制度が整えられ、有力な農民を中心に石塔の建立が盛んになったことによるものと思われます。  本堂は宝永八年(西暦1711年)に建立のものであります。関東大震災で倒壊しましたが、昭和五年に再建されております。昭和初期は不景気で再建にあたっては、ほぼ古い建物の材料をそのまま使用するなど、困難を極めましたが、檀信徒の一致団結した協力で再建できました。
 また過去帳につきましても幸いに江戸初期からのものが残っております。火災により古い過去帳を消失しているお寺が多くあるなかありがたいことです。歴代の住職、あるいは留守をあずかってこられた方々のご尽力のたまものと思います。
 このようなことから、当山の創建は鎌倉中期~末期と思われ、江戸期に寺域、墓域が整備され、明治初期の廃仏、戦後の農地解放等の混乱、困難を経て今日に至っております。  また、埼玉県、春日部市共に天然記念物にも指定されている本堂前の『椋の木』は樹齢約400年と推定され、その長い歴史を物語っております。観光目的でも、是非お気軽に足をお運び下さい。このホームページを見られた方は、少しでも蓮花院に興味を持っていただけたら幸いです。

弥勒山 蓮花院    
  金久保康明